ライブレポート「サブカルヒステリーアワー3 ~情熱と悩殺のロマンチズム~」(2010.06.27)

◆前置き

6月27日。梅雨真っ盛りの季節であったが、幸運にも天気も持ちこたえてくれて、絶好のライブ日和だった。
それにしてもなんという熱気を帯びた夜だったのか。
あの日の4組の出演者とたくさんのお客様には、この場を借りて改めて御礼をしたい。
ごく簡単にではあるが、ここで写真を交えながらライブの様子を振り返ってみようと思う。

◆日比谷カタン

日比谷カタン。此度のイベントタイトルを象徴する存在といえよう。メイン、サブ問わず様々な文化をその裡に取り込んでおりながらも、日比谷カタンというインターフェースを通じて発信されるそれは必然的にサブカル的に我々の目に映ってしまう。

ライブアクトとしてどの番手でもこなせる力量の持ち主だが、まず最初にイベントの指針を提示するという意味において、彼以外のオープニングアクトは考えられなかった。

「?」に始まり「!」に終わる。
人は日比谷カタンのライブを観ると、そこに様々なギャップを見出し戸惑う。見た目と中身とのギャップ、演奏形態とそのプレイとのギャップ、声色のギャップetc…
我々は最初に「なんだかよくわからないもの」を知覚するのだが、気づけば「すごいもの」を体感して驚かされている。

そんなサブカル見世物師である日比谷カタンは、同時に器用なエンターテイナーを演じることもできる。
この日はイベントの趣旨に則り(?)ウルトラマンエースやゴジラのテーマなど、アニメ・特撮系のメドレーを披露して見事に観衆のハートを撃ち抜いて見せた。(実は今回のウルトラマン風フライヤーをデザインしてくれたのも日比谷氏。今回のイベントと特撮は思いのほか相性が良かった)

得物はアコースティックギターながら、ヘヴィメタルさながらの重々しくて激しいプレイと、スパニッシュ風の切れ味鋭いプレイの応酬には否応なしに目を惹かれた。それでいて演奏が終わると涼しい顔で軽妙なトークを繰り広げ、またもやそのギャップに肩透かしを食らう。最後の最後まで?と!のオンパレードだった。

今回、こちらで撮ったイベントの映像は存在しないのだが、幸いにも日比谷カタンのライブ映像だけはお店側で撮ったUSTREAM配信のアーカイブが残っているので、良かったらご覧いただきたい。
http://www.ustream.tv/recorded/7931069

日比谷カタン 日比谷カタン 日比谷カタン 日比谷カタン 日比谷カタン 日比谷カタン

◆ゴロバン

続いてスーパーゴロバンタイム発動!エンターテイメントとは何ぞやという問いかけに対する一つの回答といえるライブだった。

演奏中だけでなく、入場から退場に至る全ての過程をショータイムと化した、けばけばしいまでの白銀の40分間。
時代錯誤も甚だしい出で立ちとパフォーマンスに最初は失笑していた観客も、いつの間にか巻き込まれ取り込まれて、本気で抱腹絶倒し、気づけば一緒に踊ってしまっている。この持って行き感は一体なんなのだろう?

オープニングナンバーはコンサート(彼らのライブはこう呼ぶのが正しい)の定番「告白タイム」から。
『告白タイムは土曜のミッドナイト』という、もはやパワーだけのフレーズが頭から離れなくなるマジックは彼らにしか使えないものだろう。

普通、何度も見聴きしている大好きなバンドならともかく、初めて観るバンドで一緒に歌ったり踊ったりしたくなることはなかなかない。あっても実行に移す勇気はそうそう持てないものだ。ところがゴロバンはそれをさせてしまう。強要されるわけでもなく、我々は日比谷氏がいうところの(彼には司会もしていただいた)「母性本能」に突き動かされて、ついついゴロバンを応援してしまうのだ。決して美男子揃いというわけでもないのに(失礼)、完璧なまでのアイドルバンドぶり。
ニクイ。

ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン ゴロバン

◆伝承歌劇団~エウロパの軌跡~

あらためて画になるバンドだと思った。煌びやかな中世風の衣装もさることながら、ライブ中の各人の動きがキマっている。特撮ヒーローのアクションショーを観ているような気分だった。方向性は違えど、彼らもゴロバン同様に徹底したエンターテイナーだったと思った。

毎回新たなシナリオが用意される(再演される演目もあるが)伝承歌劇団のライブ。今回も新作を用意して臨んでくれたが、その内容についてはここでは敢えて語らない。それは生で観た人だけが噛み締めればいい。

語り部Algosの力強い物語りを挟みながら、相応のエネルギッシュさでもってライブは進む。抜群の歌唱力を誇る声楽士Dahnaの歌声をヘヴィな演奏が後押しする。ロックバンド単体で十分成立する技量があればこそ、彼らならではのステージングも映えるというもの。

演目終了後はゲストに声優の松本さちを招いて2曲披露。その内1曲目は今回がフルコーラス初披露だったとか。
男女混声になることで、それまでのシンフォニックメタル風な要素にソウルフルな響きが加味され、半分燃え尽きた感のあった(笑)メンバー達もここで再燃。ステージも客席も揃って拳を振り上げて盛り上がる様は、さながらJAM PROJECTのコンサートのようだった(笑)

伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~ 伝承歌劇団~エウロパの軌跡~

▲s(ピラミッドス)

トリを飾ってくれたのは▲s。ガンガンに盛り上がった伝承歌劇団のステージの後でやりにくさもあっただろうが、音楽性もステージングも全く違った形で見事に盛り上げてみせた。その佇まいはさながら中東風チンドン屋といったところか。
もちろん褒め言葉だ。

『エレクトリカルパレード』や『魔法使いサリー』といった誰でも知っている楽曲から、ロシアや中近東のトラディショナルソングまで、まるごとジプシー風にアレンジして聴かせるわけだが、日本人には決して耳慣れた音ではないのにも関わらず、気持ちいいくらいに楽しい。エンターテイメント云々以前に、まず音楽自体が自然に踊れるノリの良さを持っているのが素敵だ。芯からお祭バンドである。

同時にコント満載、ネタ満載のステージでは笑いも絶えず、ダイナマイトボディを惜しみなく振り撒いてくれたバーレスクダンサー、サフィの登場には会場中が沸いた。男子は狂喜、女子は羨望。素直に喜ぶお客さんたちが愛おしい(笑)

ライブ後半ではさらに幻覚少女モモちゃん(?)がゲストに加わり、寸劇も交えつつ歌を披露してくれた。まだ10代だというのに存在感のあるボーカルで驚いた。

最後は再びサフィも登場して、てんやわんやの大盛り上がりの内に終幕。

▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス ▲s ピラミッドス

◆まとめ

エンターテイメント色の強い出演者を集めて、お祭りみたいなイベントをやりたいという想いが前々からあった。受け手の感想はそれぞれあると思うが、自分の中ではやっと思った通りのことが出来たという感慨がある。

お祭りの楽しさというのは、まずその空気が不可欠だ。屋台、お神輿、踊り、お囃子など、祭りを構成する個々の要素はあれど、それらを単体で味わうのと、お祭りという空気の中で味わうのとでは印象が大きく異なる。金魚掬いや射的に気分を高揚させ、綿菓子やりんご飴がたまらなく美味しそうに見えてしまうあの感覚は特別なものだ。

それぞれアプローチは違いつつも、1つのイベントの中で打てば響き合うものを引き出してくれた出演者たちはもちろんのこと、観に来てくれたお客様たちもまた祭りの空気を作った立役者だ。双方が最初から最後まで高いテンションを維持していてくれたからこそ、今回のイベントは成立したのだと思う。心から感謝したい。

またいつか、こんなお祭り騒ぎをしたいものだ。

2010年7月13日 ジンボ アラタ

◆今回のフライヤー(制作 : 日比谷カタン氏)

サブカルヒステリーアワー3 フライヤー(表) サブカルヒステリーアワー3 フライヤー(裏)