多摩り場

@日野Soul K 2011/09/18

はじめに

まずは御礼を。場所と機会を提供してくれたSoul K、出演してくれたスナックゆとり / 森川祐護 / トランヂスター / MANDOG / 展示やチラシの作成をしてくれたchiko_ck / ご来場いただいたお客様方、まことにありがとうございました。

それでは、ざっとライブの様子を振り返ってみよう。

スナックゆとり

まずはスナックゆとり。毎月精力的にライブ活動をしている彼らだが、個人的には久しぶりのライブ。
初めて彼らのライブを観たのは1年前くらいだろうか?(その頃はまだユニット名も違っていた)

随分変わったな、というのが第一印象。根っこの部分は変わっていないことはわかるのだが、前に観た時よりもだいぶ雑多な要素が削ぎ落とされ、それでいて歌が骨太になっていた。立ち姿が堂々としていた。歌の上手さにも気づかされた。成長した姿を見ることができて嬉しい限り。

スナック(夫)ゆとり (@snack_yutori) | Twitter

森川祐護(Polygon Head)

お次は森川祐護。普段は専ら都心部でライブをすることが多い彼だが、この日は地元ということで、なんとご家族に加えて幼稚園時代の先生まで観に来てくださったとか。
いつも飄々とした佇まいの森川氏がさすがに緊張したのか、スタートでトラブルが発生して仕切り直すという場面も。しかしその後はきっちり盛り返して、お家芸のストレンジギターで魅せる。

圧巻だったフランク・ザッパの「Black Page#1」のカヴァーを始めとして、ギタリストとしての錬度の高さとひねりの効いたポップセンスを十二分に見せつけたライブ。

Polygon Head.com

トランヂスター

三番手は本日唯一のバンド、トランヂスターの出番。
Soul Kは小さいながらも決してアコースティックバコではなく、バンド演奏に耐えるスピーカーを置いているのが魅力。当然ながらトランヂスターのライブも最初から全開で、会場全体を奮わせる爆音で疾走。このサイズでこの音量ってなかなかないんじゃないだろうか?

トランヂスターのライブは泥臭くも真っ直ぐで暖かい。そして楽しい。
Vo桜田の愛嬌あるキャラクターが大好きだ。素敵なバンドだ。

【公式】トランヂスターWEB

MANDOG

そして大トリのMANDOG。現在はバンド形態での活動を休止し、テープエコーや様々なエフェクターを用いたソロ形態でのライブを模索中。

あるミュージシャンが「即興とは1つの作曲行為である」と発言していた。何かしらのテーマが前提として存在する作曲行為ではなく、その場に生まれてくる音を基に音楽を作っていく行為。

ツマミ1つの操作が意図せぬ音を作り出し、そこにギターの音を重ねていくMANDOGのライブは、ある意味で人間同士の即興演奏よりもはるかに高い技量を要求される。何故なら自分がマシンに合わせて演奏することは出来ても、マシンの方からは決して自分の演奏に合わせてくれることはない。演者に一瞬でも隙があれば即座に崩壊してしまうものだからだ。
一段上のステージというものを垣間見た。

MANDOG

おわりに

4年前、私の出身地であり地元である東京都日野市にある唯一のライブハウス、Soul Kで「一花繚乱」というイベントを開催した。それがはぐレ企画の最初のイベントだった。

今思えば、あの頃は色々な意味でピュアだったと感じる。イベントをやる動機はただ「世間的にはあまり知られていない素晴らしいミュージシャンがたくさんいることを、もっと多くの人に知ってもらいたい」というもの。ただそれだけ。イベントとはどういうもので、どう作っていくのかなど何も知らないまま始めた。
当然ながら実際にやっていく中で色々と脇の甘い部分も露呈したが、それでも毎回楽しみながらやらせていただいた。

あれから4年後、再び日野Soul Kでイベントを開催する機会を与えられる。さてどうしたものかと思案する。これまでと同様のコンセプトでやるのもありだが、なんだかんだ言って日野は地理的には外れた街である。派手なイベントを打つには少々そぐわない。
それならばいっそ地元色を強く打ち出して、地元のお客さんにたくさん来ていただけるようなイベントが望ましいと考え、それが「多摩り場」という企画案へと発展していった。

参加アーティストはいずれも多摩地区の方々ばかり。地元のアーティストと地元のお客さんにSoul Kという素敵な雰囲気のお店を知ってもらうこと、それを第一義としたイベントにしよう、そう考えた。
それは当初からの理念とも合致するものだ。理念などと大層な言葉を使うのは少々こそばゆいが、私がはぐレ企画というイベントを続けてきた目的は「知ってもらうこと」である。それは何もミュージシャンに限った話ではない。今回は出演者よりもライブハウスに焦点を当てたイベントだった。

初の試みということもあり、お客さんを100%楽しませるものにはできなかったかもしれない。だが種を蒔くことはできたと思う。終演後の打ち上げではとても美味しいお酒を飲むことができた。終わった後に笑顔で語らえるというのは、企画者としては最も嬉しい結果の一つだ。

この企画は突き詰めればもっと面白くできるという実感を得ることができた。きっとそうできるよう、力を貯えていこうと思う。

今回のフライヤー(制作:chiko_ckさん)


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 98 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。