サブカルヒステリーアワー2 ~劇場型音楽テロリズム~

@新宿たかのや 2008/09/23

locolo code

1番手を務めてくれたlocolo codeは、前回からの連続出演。
多忙でスケジュールの合わせにくいボーカル&ダンスの森下真樹さんに何とか都合をつけてもらい、フルメンバーでの出演がかなった。さらにゲストのiPhoneくんも加えると総勢8名(オープンリールを加えて9名?)という大所帯ながら、演奏がバラバラにならず、全員でlocolo codeの音楽を作り上げようという意識が感じられた。

特異なメロディとコード進行を持つ楽曲ばかりながらも、決して禁欲的にならないエンターテイメント性溢れるステージングで楽しませてくた。へんてこなのに妙に可愛らしいバンドである。

(2017/06/30(約8年9か月後)追記)

バンドは現在活動を休止しているが、リーダーの粟津さんは作曲家として、ボーカルの森下さんはダンサーとして活躍されている。もうライブは観られないかもしれないが、こういう音楽をやっている人たちがいたということだけでも知っておいてほしい。

locolo code

天国

続いて登場したのは天国。
大編成のlocolo codeから一転して、ボーカルとピアノのみという最小編成デュオ。

時に地の底から響くような、時に雷鳴の如く轟きわたる宮國さんのボーカルは圧巻。それを支える本間さんのピアノも荘厳かつダイナミックで、音数の少なさをこれっぽっちも感じさせない圧倒的な存在感を見せつける。ライブが進むにつれ、明らかに会場の空気が天国に支配されていくのを感じた。

(2017/06/30 追記)

この後も様々なイベントに出てもらうことになる人たちだが、はぐレ企画のイベントに出演してもらったのはこれが最初だった。ボーカルとピアノのみのシンプルなデュオだが、非常に破壊力(色んな言い方はできると思うが、これが適切だと思う)のある音楽を演る人たちである。

今回のイベントの「劇場型音楽テロリズム」という副題は、特に天国と日比谷カタンさんのステージに着想を得て付けた。

(仮)天国の情報 天国ライブ日程

ペンギン人格

可愛らしい衣装に身を包んで登場した乙女2人。でもそんな見た目とは裏腹にやっている音楽は実にコア。
歌とギターとテルミンを中心に、ほぼ即興でピアノ、ドラム、フルート、クラリネット、ミニコルグなど様々な楽器を遊ばせる。極めてアート寄りなライブかと思えば、いきなり痛烈なオヤジギャグが炸裂するなど、ユーモラスなライブだった。

(2017/06/30 追記)

「ペンギン人格」は、現在は主にソロで活動する富山優子さんと、テルミン奏者の賃貸人格さんのデュオ。パーマネントなバンドではなく一時期だけ活動していて、今はもうない。
オール即興だが、どこかコミカルで禁欲的になり過ぎないところが好きだった。

考えてみれば、即興しかやらない人たちを呼んだのはこの時だけだ。ノイズやインプロのイベントもやってみたいんだけど、そっちの世界には明るくないので、まずブッキングが思いつかなそうである。

作曲家 富山優子 公式サイト
テルミン弾き語り/賃貸人格/chintaijinkak

日比谷カタン

端麗な容姿の男性がギター1本抱えての弾き語り。
甘いラブソングでも期待したくなる外見に騙されると痛い目を見る。

ヘヴィメタルとジプシージャズを融合させたかのようなギタープレイに、声色だけでなく人格そのものが七変化八変化しているかのようなボーカル、そして爆笑に次ぐ爆笑のトーク。MCも含めて1秒たりとも捨て場のない日比谷カタンワールド。主催者の立場も忘れて、観客として堪能いたしました。

(2017/06/30 追記)

今でもバリバリ活躍している日比谷カタンさんは、もう弾き語りなんだか何なんだかわからない、何だかよくわからないけどすごい人だ(笑)。

この人のライブを初めて観たときの衝撃は今でも忘れられないし、本当に誰にも似ていない人だ。本人に言わせれば「唯一無二の私」なんていう偉そうな存在がいるわけでなく、「歌ってみた」を1人で100通り詰め込んだだけ、なんてことを言うかもしれない。言うは易いが、それを実際にライブで行うにはどれだけの練度が要求されるのか。

鍛え抜かれた演奏家は数多くいるけど、彼のように鍛え抜かれた音楽家(アーティスト?弾き語り手?何と呼べばいいのやら)はそうそういない。

日比谷カタン Official Website

る*しろう

トリを務めてくれたのはる*しろう。
る*しろうは山下洋輔型ジャズロックとでも言おうか。こちらも形容に困るバンドだ。

経験豊富な3人がこれまで培ってきた様々な音楽を消化吸収し、それを好き勝手に放出しているかのような、実にはっちゃけてて無節操ながらも錬度の高いライブだった。仮に他の人が譜面を渡されてそれを完コピできたとしても、決してああはならないだろうなと思わせる唯一無二感がある。

今回は全体的にインプロヴィゼーション部分を多めに取っている印象があり、ジャズロック系の音楽が好きな人には特に楽しめたのではないかと思う。

る*しろう [le*silo] Bienvenue!!

(2017/06/30 追記)

久しぶりにライブ観たくなってきた。

mori-cymさんの美術作品

ちなみにこの日は、ウェブのトップ画像やフライヤーの絵を描いてくださったmori-cymさんが、このイベントのために特別に製作したという美術作品が展示されました。
総勢100体の妖魔、怪人、魑魅魍魎がひしめき合う大作立体絵草子、その名も『100k yk』(百鬼夜行)。
写真でこの迫力が伝わるかどうか判りませんが、非常に素晴らしい作品ですので、ぜひご覧になってください。

↓ トップ画像

moricym @ Miss毛 (@moricym) | Twitter

おわりに

最後に、このイベントに携わってくれた全ての方々に深く深くお礼を申し上げます。
(敬称略)locolo code / 天国 / ペンギン人格 / 日比谷カタン / る*しろう / mori-cym / 新宿たかのや / 暗黒工房 / 各バンドスタッフの方々 / 全てのお客様

本当にありがとうございました!このようなイベントができて楽しかったです。
また次回のイベントでお逢いしましょう!!

(2017/06/30 追記)

後からプログレイベントと言われることもあったけど、自分の中ではもうプログレではないと思っていた。
プログレだったとしても、シルバーエレファントでやるタイプでは決してないと思っていた。
ピアノが置いてあって、広すぎず狭すぎず、都内の主要な駅から近くにあること、などの条件から見つけたのが、今はなき「新宿たかのや」。

出演者はlocolo code、天国、ペンギン人格、日比谷カタン、る*しろう。
自分の中では「持ち時間40分くらいで4組」というのが対バンイベントとしていちばん面白い形だと思っているのだが、この日は初の5組ブッキングに挑戦した。

おかげで胃もたれしそうなこってりした時間を過ごせたが、店長の片貝さんにはイベントが終わった後に「今日は濃すぎて疲れた」なんて言われた。


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 90 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。