ニコニコ解散ライブ特集 THE YELLOW MONKEYを観ながら

今、ニコニコ生放送でTHE YELLOW MONKEYのラストライブを観ながらこのコラムを書いている。

ニコニコ動画では元旦から15日連続で解散ライブ特集と銘打って、様々なアーティストの解散ライブの映像を無料で放送する。今日のイエモンはその3本目になる。
3日22時頃から放送を開始して、現在(4日0時30分過ぎ)で総来場者数は4万人に達しており、まだまだ増える様子だ。

プログラムの前半ではRED TAPEというライブDVDからのダイジェスト映像、そして現在2001年の東京ドームでのラストライブの映像が放送されている。
ちなみに初日はBOOWY、昨夜はTMNだった。明日以降はLUNA SEA、GOING STEADY、ZONE、などが続く。中にはエルヴィス・プレスリー没後25周年コンサートなんてものも含まれている。

このような十分に商品的価値を持ったアーカイブが無料で視聴できるというのは、ユーザー側からすれば大変ありがたい話である。
以前フリクルという音楽サービスを立ち上げた海保けんたろー氏にインタビューをした時にも言われたことだが、CDを売るというビジネスモデル(大量生産→大量消費のサイクル)が立ち行かなくなっている以上、こういった形でソフトの中身を放出してしまっても、メーカー側、アーティスト側ともに十分旨みはあるはずだ。

まず、ここで流されている映像は、既に製作から販売までのサイクルを一通り終えた商品から引っ張ってきている。つまり費用のペイなどは既に済んでいるので、新たに製作やプロモーションにかける費用がゼロということだ。

もちろん無料で放送しているのだからプラスマイナスゼロなのだが、この放送を視聴した人のうち何%かはこれを機にイエモンのCDやDVDを購入するだろう。
仮にその割合いが全体の1%だったとして、現時点で来場者数のカウントは5万人に達しようとしているので約500人分の新規売り上げをプロモーション費用無しで得られるということになる。
3,000枚売れればそれなりにヒットと言える時代にこれは無視できない数字だ。
(ただしニコニコ市場のクリック数、購入者数を見る限り、実際の数字はもっと低いだろう)

一時期ベスト盤がやたらと濫発されたように、レコードメーカーはしばらくこういった「アーカイブビジネス」に血道を上げるようになるのではないかと個人的には踏んでいる。
特にニコニコ動画の場合は、コメント機能のおかげでファン同士の連帯感が生まれやすいという特徴があるので、プラットフォームとしては最適かもしれない。

新人アーティストを同様の方法で売り出して利益が出るまで持っていくのは、ボカロ系などを除いてまだ難しいと思うが、レコードメーカーはこういう方法で得た利益を新人の育成やプロモーションに回すのが得策かと思う。

…と、ここまで書いて放送が終了した。トータル4時間強。
私は30分過ぎくらいから視聴を始めたが、過去にパソコン上で1本の動画をここまで見続けた経験はないと言っていい。つまり楽しかった。

番組終了後のアンケートでも約95%のユーザーが「とても良かった」という回答を提出。最終的な来場者数は58,000人強。最後まで視聴してアンケートにも回答した層が全体の何%だったのかはこちらでは把握しようもないが、この結果を見る限り、この企画は成功だったと言えるだろう。


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 96 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。