【東日本大震災】ライブハウスと節電 その2

昨日のブログの続き。
とにかく節電に関してこちらの考えが正しいのかどうか確かめる必要があったので、どうにかして情報を手に入れられないかと頭を捻っていたが、一段落したところで当たり前のことに気がついた。

「東京電力に直接問い合わせればいいじゃない」

灯台下暗しとはこのことである。これはネット社会に浸っている者の陥りやすい罠だと思うが(単に俺が間抜けなだけかもしれないが)、なまじ色々な情報にアクセスできる手段があるものだから、時に搦め手と正門を取り違えてしまうようなことがある。

津田大介さんに電話で話を聞けたのもよくなかった。ああいうことができてしまったものだから、他に誰か情報を持ってそうな知識人に話を聞くことばかり考えていた。実は田中優さんにアポ取る方法を色々探し回ってたんだよね。

そんなわけでとにかく東京電力行って、話を聞いてきました。
で、結論としては、こちらの立てた仮説に間違いなし!

電力と節電について

現在、関東から東北への電力融通は行っていない。そもそもそんな余裕は全く無いとのこと。
今やっている計画停電は、100%関東の需要を満たすため。

そして電力は作り置きができないので、深夜の節電にあまり意味はない(担当者は意味がないという言い方はしなかったが)。深夜帯は企業などの大口利用者も営業を終了するところが多いし、一般家庭は就寝のため電力消費が減る。だから深夜の節電にさほど神経質になってもらわなくてもいい、するなら日中に節電してもらえると有難い、とのことでした。

この情報を証明するような資料は残念ながら手に入らなかったが、東京電力に問い合わせれば答えてもらえます。
ただし電話で問い合わせると、たらい回しにされて時間がかかる可能性あり。だいぶ電話回線も落ち着いてきたとはいえ、徒に長電話をするには好ましくないので、どうしても気になるという人は、できれば直接東京電力の窓口に行って聞いてみていただきたい。

ライブハウスと節電

今回わかった事実を鑑みて、我々音楽を発信する側の人間が取る方策が見えてきたように思う。
まず第一に「被災地に送るために電力を娯楽などで無駄にするな」という不謹慎系クレームはそもそも事実認識ができていないものなので、そこは理性的に事実を述べて対処すべし。

そして、どうしても電力を多く消費するライブをやりたい場合は、オールナイト公演が現状ではベター。
多くのライブハウスが密集する都心部は、元から計画停電の対象からは外れているので通常時間帯でもやれないことはないが、基本的に一般的なライブの時間帯(概ね19時前後から22時前後まで)は電力需要のピークと重なるし、やはり一抹の不安は拭えない。

その点、オールナイト公演の時間帯(概ね23時前後から翌5時前後まで)ならば、節電という観点のみで考えるならば全然問題なし。鉄道などの大口利用者が軒並み使用を停止しているので、10や20のライブハウスが電気を使っても供給量を上回ることは、まずあり得ないだろう。

もちろんこれでライブハウスと節電に関する問題は解決!というわけにはいかない。
オールナイト公演はその性質上、基本的に週末か祝前日でないと営業が成り立ちにくい。ほぼ毎日営業しているようなクラブも存在するが、それはやはりクラブとしてそういうスタイルが成立しているところのみだろう。
ライブハウスが「節電のために営業時間帯を深夜に移します」と言ったところで、出演者もお客さんも激減するだけだ。

正しい知識を広めよう

それよりもまずするべき事がある。
今挙げたアイデアは、言い方を変えれば「非難をかわす」ためのものに過ぎない。

大事なのは電気を使わなくては仕事ができない立場にある者として、ライブハウスやエレクトリックバンドのバンドマンが、まずは自分たちのお客さんから、節電に関する正しい知識を広めていく事だ。
そうやってまずは自分たちの周囲から、あらぬ誤解を招かない努力をする。そして話を聞いたお客さんが家族や知り合いにその話を伝えていくことで、音楽に全く興味のない層にまで節電に関する正しい知識が広まっていけば、これは立派な社会貢献と言えないだろうか?

昨日のブログにも書いたが、ただ自分たちの活動を認めてもらうことだけ考えても、それはだだをこねる子どもと一緒だ。人より多く電気を使う分、他の点で貢献する事を考えるのが社会の一員として取るべき立場であろう。

オールナイトならあまり節電に神経質になる必要がないとはいえ、ライブハウスがオールナイト公演だけで営業していくのは事実上不可能である。食べていくためにはどうしても通常の時間帯にも営業する必要があるし、アコースティック系の出演者だけでブッキングを埋めていくのも不可能に近い。規模の大小を問わなければ、東京だけで200以上もライブを出来るお店があるのだから。

大規模停電だけは絶対に防ぐという心構えを持つ事が大前提であるが、とにかく電力消費の多い形態の音楽活動と、それを発表する場としてのライブハウス、この2つの活動をある程度認めてもらわなくてはならない。その上で両者はなんらかの形で社会に還元していかなくてはならない。

その還元方法について。
昨日はエンターテイメント性のあるものが望ましいと偉そうに書いたが、結局いいアイデアはまだ浮かばない。やはりチャージやドリンク代から決まったパーセンテージを義援金(義援金に限らなくてもいいが。関東の節電は関東だけの問題なのだから)などに充てるのが現実的だろう。

後は個人的なアイデアになるが、DIY HEARTSのようなものを利用して何かできないだろうか?
ただしこれは会社ぐるみの話になるので、俺だけではなんとも言えない。

とにかく動くべき材料を得ることができた。ならば動くしかあるまい。


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 90 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。