【東日本大震災】ライブハウスと節電 その1

ライブハウスがやばい。
ライブハウスだけじゃないんだけど、自分に関係のあることなのでライブハウス目線で話したい。

ライブハウス営業の危機

3月11日発生の東北地方太平洋沖地震の影響により、今日まで都内(東京以北は無論)の多くのライブハウスが連日営業を停止している状態。冗談抜きで死活問題になってきている。
ライブハウスだけでなく、娯楽産業全体が本気で追い詰められている。

本音を言ってしまえば、もう不謹慎云々の批判には無視を決め込んで(面と向かって言ってくる人があれば誠実に対応するのが前提)、さっさと通常に状態に戻りたいところだ。

だがそれを阻む大きな要因がある。計画停電だ。
福島原発を始めとして、いくつかの東京電力の発電所に地震による被害が出たため、関東地方での電力需要に供給量が追いつかないという事態が発生している。
ライブハウスは電気を大量に使う。使うための電気がなくては、やる気がいくらあっても営業できない。
計画停電とライブの時間帯が被ろうものならもうお手上げだ。

幸い(?)にも自分の職場は今のところ計画停電の対象地域からは外れているが、それでも節電を求められているのに違いはない。もちろんするべき節電はするし、節電しながらでも「音楽」はできる。
だが節電しながら100%の「仕事」はできない。

ハコによって違いはあるが、少なくともうちはハード面において、大音量での演奏を前提とした作りになっている。当然ブッキングもそういうライブをする出演者を中心に組んでいるし、それゆえに現状の節電体制では充分なものを提供できるとは言い難い状況。それ故か出演キャンセルも相次ぐ事態。
本当にヤバイのだ。

目的もわからないまま

だがここで根本的な問いを投げかけたい。
「今やっている計画停電は、そもそもどういう目的で行っているのか?」

関東の電力供給量が不足しているため、不意の大規模停電に陥る可能性があり、それを回避するため計画停電という形で電力消費を抑えている、という風に自分は理解している。
つまり関東に住む人間が自滅しないためにやっている停電であるというわけだ。

重篤な被災地である東北に集中的に電力を供給するためという認識の人もいるようだが、どうもそうではないようだ。(これに関しては色々調べてはいるのだが、東京電力から東北電力への電力融通は行っていないという決定的なソースはまだ見つけられていない。ただ東京電力、東北電力それぞれのホームページに掲載されているプレスリリースや、あちこちの計画停電に関するリンクを参照する限り、基本的にこの認識で間違っていないはず)

となれば、少なくとも「被災地に回すための電力を娯楽などで無駄に消費するな」という理屈は成り立たなくなる。さらに言えば、電力ピーク時を外した時間帯、たとえば深夜における節電というのもあまり意味がないということになる。

このあたりの認識が十分に浸透しきっていないため、目的もわからないままに節電を声高に叫ぶ人がいる気がする。大規模停電回避という目的などどうでも良くて、あたかも節電そのものが目的であるかのような物言いをする人までいる始末。

正しい認識に立つならば、上手いこと工夫(イベントの時間帯を深夜に移すなど)してやりさえすれば、ライブハウスが少しばかり多く電力を使っても、文句を言われる筋合いはないという事になる。
もちろんピークを外せば好き放題電気を使っていいわけでもないし、「日本が大変なことになっている最中に音楽ごときで大量の電気を使うとは何事だ、けしからん、死にさらせ」といった非難が出てくることは防げないだろう。そこは辛抱強く対応していくしかあるまい。

ライブハウスができる貢献

ただ、うしろめたい気持ちを引き摺ったままおっかなびっくり営業していくのは辛いので、もう「うちはたくさん電気を使わないと仕事ができませんので、そこのところは勘弁してください」と素直に表明した上で営業し、代わりになんらかの形で社会に還元していくというやり方を模索していくべきだと考えている。

音楽を発信するというメンタル面での貢献もそれはそれで大事だが、それはソフトである音楽家たちの仕事であり、ハードたるライブハウスはまた独自のやり方を持つことはできないだろうか?

チャリティーライブにしてみたり、ドリンク売り上げの数パーセントを寄付に充てるという方策を採っているライブハウスもあるが、正直それは長続きはしないだろう。店に利益が残らないからだ。むしろ赤字になっているところがほとんどだろう。

どう言い訳したところで、ライブハウスが営業するのは食べていくためという大前提があるのだ。
きちんと利益を出すための営業をしつつ、音楽を楽しんでもらうという以外の貢献は本当にできないのだろうか?

話が飛ぶが、これが遊園地の場合だったら、子供っぽいアイデアではあるが、自転車タイプの発電機を応用したアトラクションなど作れないだろうか?発電量に応じて得点が加算されるとか、キャラクターが敵を倒していくなどのプログラムを組むことは多分可能だろう。チームバトルなど出来るとなお望ましい。
そこで発電された電気はそのまま園内の使用電力に充てられる。
それを広い敷地内のあちこちにスコアボードと一緒に設置してやれば、ムキになってやる人が結構いるのではあるまいか?しかも実際に遊んだ人は、少量ながらも自分が電気を作ったという満足感も得られる。

何が言いたいのかというと、チャリティーよりも(チャリティーを否定するつもりはないが)そういう遊び要素を持たせたものの方が面白いし、もっと広く受け入れてもらえるんじゃないかということ。
だが言ってみたはいいものの、ライブハウスで何ができるんだろうか…。
今回は自分へ宿題ということで一旦ここで締めたい。

全然しまらんなー


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 98 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。