ニコニコでゲラゲラする

生放送は見逃したが、ニコニコ動画主催、動画アワード2010を観た。
8つのノミネート作品と、惜しくも選外だった作品の幾つかを視聴。
「プロの犯行」と言われるような高い技術を駆使した作品もあれば、徹底的にネタに走った作品もあり、まぁニコ動らしいラインナップだった。

特に審査員の間に旋風を巻き起こした『星間飛行踊ってみた☆』は、ニコ動ならではといえる内容で興味深かった。

この動画、何が凄いって、何も凄くない要素を詰め込んで成立しているのが凄い。
他のノミネート作品はハイレベルなCGや、凝った撮影技術が使われていたり、製作に根気が要るものだったりするわけだが、この動画に関しては、自宅・ギャラリーなし・編集なしといった大変に低いハードルの元で製作されている。

出落ちのずっこけに始まり、肝心のBGMは小さすぎて聞こえない始末。なのに編集もされずそのままのテイクでアップロードされている。
普通なら失笑は買えても、評価される要素はなきに等しいのに、何故か何度でも観れてしまう。
これはもう素質としか言えないだろう。

音楽の世界でいえば、技術的にはこれといった特徴はないのに、強烈な個性や生き様によって無二の存在感を放つアーティスト(ラモーンズ、セックスピストルズ、サンタナ、ムッシュかまやつ)などに喩えられるかもしれない。
似たような動画は誰にでも作れる。だかこのクオリティは真似できない。

音楽の世界もどこか似ている。
高度なテクニックを駆使した曲より、誰でも簡単に覚えられるような曲の方が得てして評価されるものだ。
ただ私見を述べさせてもらうならば、簡単なもので評価を得る方が難しい。才能がなきゃできない。

楽器の上手い人に対して「あの人は才能があるから…」という言い方をする人がいるが、それは誤りだ。
もちろん才能もあるだろうが、本当に上手い人は例外なく大変な練習をしている。
あまり練習はしないというタイプの人は、一見上手そうに見えて、どこか偏りがあるものだ。その偏りが面白さに繋がる人こそが才能のある人なのだ。

野にはまだまだ才能のある人も技術のある人も隠れている。面白い。


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 92 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。