しょぼい音 その1

『おすすめの曲』カテゴリでは、ネット上で無料で聴ける良い音楽を紹介しているが、音質に関しては基本的にノータッチである。

根本的な部分に目を向けると、無料音源に高音質を求めること自体に無理や限界があるという現実は否めないのだ。

そもそもCDにプレスする段階で、音質的にマスターよりも圧のかかった状態になることは防げないし(近年はSHM-CDなどの高音質CDも増えているが)、そこからMP3などのファイル形式に変換することで一層圧がかかる。

さらに言えば、聴く側の環境によっても圧がかかる。
同じ曲を1,000円そこそこのイヤホンで聴くのと、100万円かけて構築したオーディオシステムで聴くのとでは、当然違いが出る。そこまで極端な例でなくとも、1,000円のイヤホンを使うか10,000円のイヤホンを使うかで十分違いは生じてくるのだ。

「安い音で聴いても名曲は名曲だ」という主張もあるかもしれないが、聴く側が本来の音で聴く努力を全く放棄することは、手間暇かけて作品を作ったアーティストやエンジニアに対して礼を欠く行為であるという意識は持って然りであろう。

逆に聴く側が良い音で再生できる環境を整えていても大して差が出ないような音質で作品をリリースすることは、結局アーティストが自分で自分の首を絞める行為になりはしないかと危惧もしている。


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 92 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。