箱庭療法

@代官山・晴れたら空に豆まいて 2010/08/31

8月31日、かなり久しぶりに代官山の「晴れたら空に豆まいて」に行ってきた。

初めてこのライブハウスを訪れたのは2~3年前くらいだったか。あるオーガナイザーさんに誘われて、そこで初めてNGATARIを観たのだった。今日もNGATARIの須山さんからお誘いのメールがあり、タイミング良く仕事が早く終わる日だったので、立ち寄らせていただくことにしたのだった。

到着したのはちょうど最初のバンドが演奏を始める直前。見ると客席には知った顔が。Polygon Headの森川さんにlocolo codeの森下さんも。つまり今日はそういう人たちがあつまるような日なのかしらん?
そんな奇妙な人達(笑)が期待するDillなるアーティストのバンドが1番手として演奏を開始する。

Dill

結構大所帯なバンドである。メンバーは計6人だが、とにかく得物が多い。
据え置きのグランドピアノも使用するし、ベースはエレキとウッドを使い分け、他にギタリストが2名、ドラム1名、そして中央上手寄りの人物はキーボード、アコギの他にPCも操作する。時々ボーカルも取る。とにかくステージはぎゅうぎゅうだ。

このバンドの中心人物らしきDillなる人は、恐らく中央上手寄りにいた帽子を被った男子だと思うのだが、彼がこの奇妙なバンドの世界を全部描いているのだろうか?

断片的に見れば、既存のカテゴライズで語れないことはない。何処何処がブルースロックっぽいね、何処何処がポストロックっぽいね、という言い方はできる。
だがトータルな印象としては不思議としか言いようがない。わかるようでわからない。主張が見えてこないっていうのとはちょっと違う。泡とか霧とか、そういう掴みどころのないものを音に変換しているような世界観と言うべきなのかもしれない。

大半の曲でボーカルを取っていた黒服の女性は明らかに声楽をやっていたであろう力のある声の持ち主。だが印象としては儚い。存在感のある声の持ち主に明確な主張を込めずに唄わせるとこうなるのだろうか。

結局わかるようなわからないような感覚のまま終わってしまった。でもその「わからなさ」が逆に印象を鮮烈にしている。このままおさらばはできないな。もう一度観てみよう。そう思った。

NGATARI

次はNGATARIの出番。かなり久しぶりに観るのだが、いつの間にかすごくバランスが良くなっているではないか。
初めて観た時のNGATARIは、個々がそれぞれ即興に興じているんじゃないかと思うような一種のバトル感があったのだが(今思えば俺が須山さんの曲にまったく着いて行けてなかったからだろう)、今は三者が美しく調和している。

Jessicaは相も変わらず妖精じみていた。あれほど存在感のある声の持ち主でありながら、何故にかくも儚い印象を与えるのであろうか彼女は。でも今日はJessicaがというよりは、NGATARI全体が儚い印象を醸し出していた。須山さんの曲をやるバンドとしては正しい方向に進んでいると考えていいのかな。

NGATARI

trico!

3番手はtrico!というトリオバンド。ピアノとヴァイオリンとヴィオラという室内楽的な構成。ピアノの方はJessicaと昔から一緒によく仕事をしてきた方だとか。

プリペアドピアノを中心とした演奏でストリングス隊の絡みは少なめだが、そのたまーに入ってくる時がゾクっとするほどカッコイイ。こういうバンドでカッコイイという印象を持つことはあんまりない。
出来れば最後まで観たかったのだが、都合によりちょっとだけ観て退出。

箱庭療法。というのは確か晴れたら空に豆まいて主催のイベントタイトルだったはず。初めてNGATARIを観た時も箱庭療法の日だったかもしれない。ちゃんと質の高いイベントを作っているなー。感心ですわ。

ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 96 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。