評価と思い出補正

「思い出補正」なんて言葉がある。
何かしらの思い出が作品とセットになっていて、その思い出の分だけ作品の評価が上がるということだと理解している。

例えば彼氏と初めて観に行った映画などは、仮に「彼氏と初めて観た」という体験を抜いて鑑賞してみたら、さほど自分の中での評価は高くなかったかもしれない。
子供の頃に大好きだったアニメの主題歌は、そのアニメを観ていたという経験がなければ、それほどいい曲とは思わなかったかもしれない。

本来、音楽であれ、映画であれ、文学であれ、マンガであれ、絵画であれ、作品の評価はその作品そのものが持つ価値によってされるべきである。個人的な体験や思い出という付加価値を勝手につけて作品を評価することは、少なくとも作品そのものに対しては不純だし、失礼なことだと思う。

だが、そもそも鑑賞者が何を目的としてその作品を鑑賞したのかという点を考慮に入れなければ、不純だと失礼だのと言うこと自体が誤りだ。〇〇という映画を観るのが第一の目的だったわけではなく、彼氏と一緒に映画を観る体験をしたかったという女性に対しては、そういう批判は的外れというものだ。

で、何が言いたいかと言うと、自分の中にも思い出補正がかかっている作品がいくつかあるなと思ったから、それを書き出してみようという話。

ドラゴンクエストⅡ エンディングテーマ

ゲーム音楽、とりわけファミコンのものは聴くと気持ちが当時に戻ってしまうものが多いのだが、特に思い出補正がかかっているなと思うのはこれ。

じつはドラクエⅡをクリアしたのはほんの数年前のことだ。
子供の頃は家にファミコンが無かった時期の方が圧倒的に長くて、私は毎週日曜日になると、ファミコンを持っていた兄の家に行って一日中ファミコンをしていた。
もうひとりの兄と替わりばんこでプレイしたこともあり、時間のかかるRPGはあまりやれなかったというか、積極的にはやらなかった。それよりも色んなゲームを遊びたかった。
勿論RPGに時間をかけて遊ぶときもあったけど、当時ドラクエⅡをクリアするまでプレイする根気は私にはなかった。

数年前、苦労に苦労を重ねて、「はかぶさのけん」などの裏テクなど一切使わずにドラクエⅡをクリアしたとき、そしてこの曲が流れたとき、身体が痺れるような感覚があった。とうとうやったんだという達成感に震えたのだ。
今でもこのイントロを聴いた瞬間、その時の感覚が少し蘇る。

映画「スパルタンⅩ」より、ラストバトルシーン

スパルタンⅩは子供の頃に大好きだった映画のうちの一つで、金曜ロードショーで放送される度に録画しては毎回20~30回は観たので、トータル100回以上は観ていると思う。おかげで一時期日本語吹き替えの台詞を全部覚えてしまったくらい。

個人的にはジャッキー・チェン主演の映画の中ではこれが最高峰だと思っていて、中でも2:40のシーン、相手のハイキックを躱しながらの後ろ回し蹴りは何度見ても惚れ惚れする。
ずっと押されっぱなしだったジャッキーがリラックスモードに入る1:50からのBGMは、自分にとってこのシーンと切っても切り離せない存在。原語(?)バージョンだとBGMも違ったりするのだが、私はこの曲でなければ納得できない。

あなただけ見つめてる 大黒摩季

自分にとってスラムダンクといえば大黒摩季である。WANDSでもBAADでもなく大黒摩季。この曲がきっかけで大黒摩季の新譜を毎回チェックするようになり、ファンクラブにまで入り(1年間だけだったが)、横浜アリーナのコンサートにも行った。
そんなんだから大黒摩季の曲では他にも思い入れのある曲もいくつか思い浮かぶのだが、やはり自分の中ではこれが原点にして頂点かな。

サザンクロス 伝承歌劇団バージョン

最新のイベント「サブカルヒステリアワー5 ~真夏の大文化祭~」より。
映像はロングショット固定で、ズームもアングルチェンジもないし、音質も特別良いわけではない。改めて聴いてみると歌詞をミスってるのもわかるし、ぶっちゃけ知らない人にこの動画を見せても魅力を伝えるのはちょっと難しいと思うのだが、あの場にいた身としては、この動画を観るとテンションが上がらざるを得ない。リハーサルで聴いた時からテンション上がってたし。

他にもあるかもしれないが、本日はここまで。


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 90 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。