秋葉原PAGODA FINAL PARTY ~15年間の感謝と愛を込めて~

@秋葉原PAGODA 2011/5/15

秋葉原PAGODA最終日

ということで行ってまいりました。
15年前といえば、まだ萌えの街として定着する以前のことだろう。その頃からアキバで営業していた歴史あるライブハウスが、錦糸町への移転に伴い、この日で閉店となる。

個人的にPAGODAに対しては、さほど深い思い入れはない。ここにライブを観に行った回数も、恐らく2桁に上らない程度であろうし、イベントを打たせてもらったりとか、特に仲のいいスタッフがいたわけでもなし。とはいえど、それなりに知っているライブハウスが閉店で、ゴロバンが出演して、しかもチャージフリーとなれば、まぁそりゃ行くわな(´ー`)

お店に到着したのは17時少し前。すでに店内は出演者とお客さんが入り混じって、ザワザワとしていたのだが、すぐにゴロバンのメンツがこっちを見つけて駆けつけてくれた。相変わらず礼儀正しくてステキな方々。
タイムテーブル的には16時半オープン、17時スタートとのことだったが、聞けば店長が遅れていて押しているらしい。なんてフリーダムな…

オープニング

やがて店長到着。轟々のブーイングの中(笑)オープニングの挨拶が始まる。

続いて店長の紹介により、PAGODAの創設者である初代店長(故人)のお父上が登場し挨拶された。なんでも前日に急にオファーを出して来てもらったんだとか。なんてフリーダムな…

ちなみにこの日は、チャージフリーに加えてドリンクフリー。入場時のワンドリンクチャージすらない。持ち込みも自由。むしろ歓迎という体。なんてフリーダムな…

佐藤歩

その後もしばしうだうだしつつも、ようやく最初のアクト、佐藤歩がステージに上がる。
店長曰く「PAGODAはちゃんとした音楽もやってるんだよ」とわかってもらうためのオープニングアクトらしい。これ以降はイロモノらしい。なんてフリーダムな…

だがその言葉に嘘はなかった。初めて観たけど、佐藤歩のステージ、素晴らしかった。
ボディヒットの音をループさせて4つ打ちリズムを作り、そこにゴキゲンな歌と演奏が重なれば、おお、もうそれだけでアゲアゲやないのお姉さん。かっこええ。

そう、かっこいいって素直に思った。演奏が上手いのもノリがいいのも大事だけど、その音楽が様になっている。自分の音楽を体現できている。だからかっこいいんだと思う。

それでいて最後にやったウクレレの曲が実に泣かせる感じで、この落差がまた憎いねコンチクショウ。

Frying Dutchman

次に、店長曰く「汚ねぇ乞食」ことFrying Dutchman。名前は聞いたことあるがこちらも初見。都合によりフルメンバー揃わなかったそうだが、PAGODA連合軍による特別混成チームでライブを敢行。これがまたええバンドだったわ。熱い。熱い。暑苦しい。もう熱しかないわって感じ。だがそれがいい。

ぶっちゃけワタクシ最前列でノリノリでしたわ。またPAGODAの狭さが良かったね。バンドの熱を肌で感じられる距離。Zher the ZOOでやったら、多分客として観ててもここまで盛り上がれなかったと思う。

ついでに言えば、一緒にやってた助っ人メンバーからも、お客さんからもすごく愛されてる感が飛び散っていた。びっちゃびちゃだった。実際汗びちゃびちゃだったし。

ライブ観ててCLUB Queのサイトに載っている森園勝敏のインタビューを思い出した。
「お客さんがバンドを乗せるんだ」という話。多分「軽音楽」における表現というのは不完全なもので、少なくともライブにおいてはお客さんのリアクションというものがあって、初めて完成されるものなんじゃないかと思った。

クラシックのコンサートみたいに、お客さんが全員身じろぎせず、黙ってじーっと観てるのもそりゃやる側にはプレッシャーだろうけど、それがあろうとなかろうと表現の完成度ってのは多分変わらない。あちらさんはやっぱその辺で歴史の重みを感じる。

話が逸れたけど、つまり内と外が一体となったいいライブでした。

Frying Dutchman | フライングダッチマン | Official Website

音座

次が音座。「クラシックのイロモノ」だそうな?ボーカルの人はpinca la trioの人。
すでに泥酔している。ピアノの人はどっかで観たことある気がする。でも多分勘違い。

スタート前に店長の奥様がお子さんを連れていらっしゃったので、「子供が泣くから魔王とかやるなよ」という指示が店長から飛ぶ。が、魔王をやる(´ー`)
まんまシューベルトのじゃなくて、トルコ行進曲に乗せて魔王を歌うっていう変ちくりんなアレンジ。なるほど、クラシックのイロモノね。

最初からわかってはいたんだが、ボーカルじゅんさんの酔いっぷりがヤバイ。前にpinca la trioで観た時も思ったけど、この人ちょっと躁っぽいキャラなんだよね。それが酔いによりかなり加速していたからもう…。唐突に笑いが止まらなくなって床をバンバン叩いたりするし。なんてフリーダムな…

それでいて最後は感極まっちゃってボロ泣き。歌えやしない。
ステージ終了直後に客席からでけぇ声で「バァーーーーカ!」と愛のある野次が飛ぶ。救われたね。つまり愛されているわけです。PAGODAチームは仲いいなぁ。

pinca la trio

続くCANVAS OF MUSICの前に、店長私情コーナー。
奥様がお帰りになるということで、その前に家族で写真を撮りたいという。なんてフリーダムな…
強面店長のデレデレスマイルを見よ。

CANVAS OF MUSIC

で、今度こそCANVAS OF MUSIC。ここのピアノボーカルはこちらもpinca la trioの人。

ベースの人は健康ランドというPAGODA出禁になってるバンドをやっていたとか。見た目とてもそんな感じには見えない。何をやったんです姉さん?でもちょっと調べてみたら先月PAGODA出てるよ。何をやったんです姉さん!?

まぁ、それはさておき、音楽の方はやっぱピンカラのソングライターだけあってポップでしたな。座って揺れながら聴いた。ここまで来てやっと落ち着いた感がある(笑)

CANVAS OF MUSIC

秋葉鋼鉄化倶楽部

で、今度は秋葉鋼鉄化倶楽部。多分PAGODA出演者の有志で結成されたメタルバンドね。ジューダスブリーフ党のイアン・夜がベースを弾いているよ(´ー`)
紅一点の下手(しもて)ギタリストは14の時からPAGODAに出入りしてて10年になるという。今では結構名のあるメタルバンドに所属して、海外ツアーとかもしているらしい。こういう人がいるとハコの人間としては嬉しいでしょうなぁ。

ちなみにこの人は「衣装代30万の男」と紹介されていた。写真だとわかりづらいけど、電飾ピカピカだったよ。

曲はあんまりわからんかったけど、多分メイデン、ジューダス、メタリカ、オジーとかやってた気がする。

ボーカルは入れ替わり立ち替わりだったが、最後に出てきた人はどう見ても店長。なんてフリーダムな…。しかもドッキリでいきなり打ち合わせと違う曲を演奏されてめっちゃテンパってた。なんてフリーダムな…。

でも今日思ったんだけど…メタル楽しいわ。やっぱダサさを本気で楽しむってのがメタルの醍醐味だね。それにはやはりライブしかない。みんなで盛り上がれば怖くない。メタルを一歩引いた視点で冷笑するなど笑止だよ!(笑)

Jackin’Box

イベントも後半に差し掛かり、次はJackin’Box。現店長と同じくらいPAGODA暦の長いバンドらしい。なのでMCでも人が知らないような店長ネタが出てきたりして爆笑を引き起こしていた。

そもそも今日の出演者はPAGODA10年選手がゴロゴロいる。オールスターな感じなんだろうね。そんな日に俺みたいな部外者が…ノリノリで参加しているからいいのだ。
バンドは正統派ロックンロールである。今日は何でも出てくる。OK、なんでも受け入れる。

最近の俺はロックンロールが好きだ。今もロックンロールのブッキング組んでる最中。まぁお楽しみに。
そういう変化を、歳を食って保守的になってきたとは思わない。むしろこの歳になって、やっとそういうものの魅力がわかってきたと思っている。だからこういうバンドとの出会いは嬉しい。この界隈にロックバンドはいくらでもいるけど、ロックンロールバンドは意外と少ないのだ。

それにしても今日はみんな15分ステージなのに、ちゃあんと魅せるんだよな。PAGODA最後の日だからというテンションもあるだろうし、受け手側も全力で楽しむテンションになってるってのもある。重複するけど、そういう音楽以外の面で補完される不完全さってのは、「軽音楽」の弱点でもあるけど大きな魅力だね。

Jackin’Box official website

キャプテン・ジョージ

Jackin’Boxのライブが終わり、いよいよゴロバンの出番が近づいている。いそいそとセッティングする白銀の戦士たち。ジョー先生はズボンのお尻が裂けすぎて、もう前の方にまで達しそうになってるぞ!誰か繕ってあげてぇ!!

が、ここでゴロバンの前に、急遽浜松からやって来た海賊、キャプテン・ジョージのステージタイムを設けることになった。おお、噂に聞いていたあの人をついにこの目で。

マキシマム・ザ・亮くんのような見た目とガラの悪い語り口。でも素は絶対腰が低そう(笑)
ギター1本でアニソンを歌い、コール&レスポンスはガチ。ていうかみんなレスポンス完璧すぎ。一体どこで仕込んだ!?俺付いて行けてなかったんですけど。
ゆるくコミカルなMCには爆笑しっぱなしだった。イベント呼びたいわぁ。でもこの人こそ、ちゃんとリアクションを返せるお客さんを集めないと光らないタイプだからなぁ。呼ぶならこっちも相当気合入れてイベント打たないといけませんな。

おわりに

さて、ここで仕事に行く時間が迫っていたので、泣く泣くゴロバンのステージを残してPAGODAを去る。
でも今月はどうせ1回休んで皆勤手当ては消滅してるから、遅刻してでも観て行くべきだったのかなぁ。いや、きっとそうだ。後になって気づいた俺はバカだ。うわあああああ!

今日は愛のある日だった。店長の出演者やお客さんに対する愛、出演者のハコに対する愛、お客さんの出演者に対する愛、それらが足し算ではなく掛け算で、むしろ乗算で発揮されていた。

冷静に振り返れば、今日の出演者を個別に、まったく別のシチュエーションで見たとしたら、多分今日ほど盛り上がれなかっただろうと思う。それだけに、こういう最高な日に出会えたことには感謝感激雨あられである。
ド金欠を押して行ってよかった。チャージフリーでよかった。PAGODAありがとう!


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 92 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。