悦楽共犯者+Polygon Head 天異無法系、メタ・ミューズの祭典

@青山 月ミル君想フ 2014/11/29

はじめに

11月29日、ついに日比谷カタンのリーダーバンド″悦楽共犯者″の初ライブが、青山の「月見ル君思フ」にて行われるという。

当日は夜勤のため、最後までは居られないだろうと思っていたのだが、対バンも縁浅からぬPolygon Headだし、これはなんとしても観ておきたいという気持ちがあったので行くことにした。
幸い17時オープン、17時15分スタート(実際には押して35分くらいにスタート)というかなり早めのタイムテーブルだったために全篇鑑賞できた。ラッキー。

Polygon Head

先鋒はPolygon Head。まず森川ソロで1曲。
するりと、淡々と1曲こなし、「今日は緊張するから」とすぐにメンバーを呼び込む。内田、渡部のリズム隊が加わり、当たり前だけど急に音がでかくなった。最初はちょっと大きすぎないかな?と思ったが、すぐにちょうどいい具合に耳が慣れた。別に耳鳴りするような音量ではなかったし、各パートクリアに聴こえる。弾き語りの後だったからドラムがいい音出してちょっと耳がびっくりしただけだったようだ。

先に結論を言うと、今日のPolygon Headのライブはとにかく音が良かった。単純に「月見ル君想フ」の音が良かったというだけかもしれないけど、バンドとして躍動感があったし、とにかく聴いていて気持ち良かった。この前のFLAT EARTH SOSIETYの来日公演の時のライブよりも良い出来であったと個人的には思っている。

3曲目から本間太郎を呼び込み、4人体制で最後まで演奏。今日は1時間という持ち時間があったので、普段はあまり聴けないような曲も聴くことができた。

実際のところPolygon Headとしての楽曲がどれくらいあるのか知らないけど、恐らくバンドで煮詰めている曲は普段30分枠でやっている5~6曲くらいだけなんだろうなと思う。今日も長い持ち時間を持て余し気味だった様子で、困り気味に「カタンさんからはトークで伸ばせと言われてた」などと明かしていたが、予想通りそれができる森川氏ではなく(笑)、やや巻き気味に終わる。

折角凄腕のメンバーが揃っているのだから、いい加減に『Black Page#1』のバンドカヴァーに挑戦して欲しい。きっとできると思うんだ。何の抒情もない、技巧に特化した演奏ってのも、Polygon Headならありだと思う。

Polygon Head.com

悦楽共犯者

後攻、悦楽共犯者。メンバーは日比谷カタン(Vo&Gt)、鶴田カナコ(Vo&Dr)、本間太郎(Key)の3名。見目麗しき、けれど腕前は確かな3名。日比谷カタンの曲がバンド形態で演奏されること自体は初のことではないし、特に本間太郎はこれまで幾度となく日比谷カタンとは絡んでいるので、まぁ安心して観れるだろうという思いながら、なんとなく不安も覚えつつ見守る。

まず入場SEで「朝まで生テレビ」のテーマが流れ、日比谷氏が現れて舞台挨拶的な感じで始まる。つい先日ツイッターで憤慨していた朝生の荻上チキ氏出演中止についての話をメンバーに振り、早速困惑した空気を作り出す。

もうね、ぼのぼのでお馴染みの汗の表現が目に見えるような光景。やはり日比谷カタンのバンドメンバーとしては、こういう不慮の事態(ていうか彼と一緒にやるなら不慮の事態こそが常態という心構えを持った方がいいと思うのだけど)に対応できる力も欲しいところだけど、初回でそこまで望むのは酷か。

演奏は『逆抵牾参る』からだった、ような気がする。(カタンさんの曲の名前あまり覚えていない…)
ただでさえややこしい上にバンド用に書かれたわけではない曲をきっちり弾きこなす点はさすがなお三方。鶴田カナコは初見だったけど、かなり好みのタイプのドラマー。程良く手数を入れてきて、スパーンと抜けの良い音を出す。叩いている時の表情も悩ましげでいい。セクシーな衣装を着ずとも表情だけでセクシーだ。

その一方で「あ~、やっぱり難しいなぁ」という感覚も確かにあった。
特に音のバランスは難しい。声量はかなりあるはずのカタンさんの歌が、バンドの中に入ると掻き消されてしまうことが度々あった。声量がそこまでなくてもバンドの中でちゃんと存在感を出せるボーカルはいるし、そういうのは何が違うんだろうか?声質か、演奏の質か、その両方か、それ以外のものか。

様々な相手と相当な数のコラボをこなしているカタンさんが、バンドという形態において苦戦を強いられているという事実を目の当たりにすると、やっぱり難しいんだろうなと思わざるを得ない。

セットリストは主に日比谷カタン曲だったが、カタンさんがみとせのりこに提供した萌えソング(これは声にエフェクトをかけて萌えボイスにして歌った)や、夏木マリのカヴァー(鶴田ボーカル)なども演奏。何気にそれらの曲の方が印象が良かったような気がする。

後半に入って一旦鶴田と本間が掃けて、日比谷カタンソロで『ヒトでなしの挽歌』を唄った。
こういう感想は不本意だとは思うけど、この時間は正直ホッとしてしまった。「ああ、やっぱりカタンさん艶やかだな。素敵だな」と思ってしまったのだ。バンドを観に来たというのに。

その後再びメンバーを呼び込んで『愛のギヨテエヌ!恋するイミテシヲン!サ!』を演奏したのだが、その前のMCでカタンさんが「私こういう形(自身のバンド)でやるの初めてなんですけど、大変孤独を感じております」とこぼして、その日1番の笑いが起こった。まぁ彼はそういうことすらもネタにしてしまう人だけど、このセリフ自体は本音だったんじゃないかと。

ただここでドカンと笑いが起きて何か1枚壁が壊れたのか、この後の演奏はかなり良かった。元々ギヨテエヌはアガる曲でバンド演奏にも向いてたってのもあるかもしれんが、ようやくバンドがグルーヴしてきたという印象。
続く『ヲとといヲいで』も楽しかった。聴いてて体温上がった。

アンコールではまず1曲日比谷ソロで大好きな『終末のひととき』を。これが聴けて嬉しかった。
そして今日の出演者全員でPerfumeの『ポリリズム』を演奏。森川さん選曲ということで、何故これを選んだのかというところから、アイドルは好きなのか、好みの女性のタイプはなどとカタンさんから猛烈な追い込みが入り、ユーゴアカデミック(これは来た人だけわかるネタ)大ピンチ。結局最後まで答えは曖昧なままだったが、実は森川さんが『ポリリズム』をやりたいと言ってたのは2年前くらいからの話で、ようやく実現の機会が持てたんだなと思ったら、なんかもう理由のくだりはどうでもよくなってしまった。

誰が誰役だったのかはわからんが、ボーカルは日比谷カタン(変声エフェクトあり)、森川祐護、鶴田カナコ(こっちも若干エフェクトがかかっていた?)の3名。
…まぁなんだ。楽しくやっていたと思う(笑)

ひとまず第一幕終了ということであったが、悦楽共犯者の方は折角歌えるメンバーを入れたんだから、ぜひともコーラスありで『亡魂咆哮』にチャレンジして欲しいところだ。期待を込めて次回も行こう。

日比谷カタン Official Website


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 98 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。