サブカルヒステリーアワー4 ~ガレージ寄席へようこそ~

@下北沢 風知空知 2016/02/11

はじめに

この日のライブでは、出演者が皆イベントタイトルを独自に解釈したステージングに努めてくれたように感じられて、非常に我が意を得たりというべき内容になった。

松尾よういちろう(井乃頭蓄音団)

松尾よういちろうは、最近の井乃頭蓄音団ではめっきり演奏する機会が減ったという、「公衆便所」や「穴」などといったエグい歌詞の曲を序盤から立て続けに披露。
打ち合わせも無しにダイナマイト☆ナオキをステージに引き上げてコラボをしたり、ジャッキー・チェンの「英雄故事」(映画『ポリス・ストーリー』のエンディングテーマ)をカヴァーしたりと、自由奔放に45分間を突っ走った。

人の良さそうな笑顔を浮かべながら過激に観客を突き放す、昔から知っている彼の姿を見ることができて個人的にとても嬉しい一幕だった。
バンドは今まさにメインストリームへの階段を上っている最中なだけに、今日は非常にレアなセットリストだったのではないかと思われる。

井乃頭蓄音団オフィシャルサイト

天国

続く天国に関しては、この日は初見と思われるお客さんが多かったので、さながら台風のごときインパクトを残していたように感じられる。

長渕剛のモノマネから始まり、どこまでがネタでどこまでがオリジナルなのか、初見ではほとんど判別不能なボーカル宮国英仁の怪演と、間断なく物語を転がしていく本間太郎のピアノの妙。笑いを堪える人以上に呆気に取られる人の割合いが少なくなかったかもしれない。特に風知空知のようなステージとの距離が近い会場の場合、ある種恐怖感を覚えた方もいるのでは?

余談だが、松尾よういちろう、天国とも、示し合わせたわけでもなく「友達」「ドラッグ」「家族」といったテーマが重複しており、それがトリのダイナマイト☆ナオキにも引き継がれ、イベント全体を通して怪しげな流れを形作っていたことを補足しておこう。

(仮)天国の情報 天国ライブ日程

ダイナマイト☆ナオキ

天国の作った一種異様な空気に便乗するかのように、ダイナマイト☆ナオキはリハーサルではやっていなかったフォークオペラ「早寝早起き」を序盤に持ってきた。他にもインスト曲を続けて披露するなど、これまた日頃の30分ステージではまず見られないようなセットリストだったろう。というか前2組が自由すぎて、あの流れでトリを努めるのは結構なプレッシャーになっていたかもしれないが。

ただ意地悪を承知で言えば、逆境を乗り越えようとするダイナマイト☆ナオキも、窮地にあたふたするダイナマイト☆ナオキも同じくらい面白いのである。彼のライブの面白さは楽曲の可笑しさもさることながら、ダイナマイト☆ナオキというキャラクターそのものを味わうことにある。
フォークギターのみという普段よりも制限されたステージだっただけに、人間力の味わいという点においては通常のライブよりも濃いものがあったと感じた。

ダイナマイト☆ナオキ official web site

おわりに

「サブカルヒステリーアワー」は、このイベントで4回目の開催となった。
殊更に「サブカル」を強調するでもなく、一風変わったものを楽しむ場といったゆるめのスタンスで始めたものの、なんだかんだで作る側からするとこのイベントがやってて一番楽しいという感覚はある。それは秘密のパーティを準備して友人を驚かせる感覚に近いかもしれない。

そういう意味で自分本位なイベントではあれど、足を運んでくださった方が「なんかヤバイもん見ちゃったなー」と思ってくだされば恐悦至極。また5回6回と続けていけたらいいなと考えているので、その際はぜひまたお付き合いいただければ幸いです。

たくさんの方のご来場、まことにありがとうございました。


ジンボ アラタ
Author ジンボ アラタ 90 Articles
東京都出身。日本工学院八王子専門学校コンピューターミュージック科卒業。その後は音楽とは別の道へ進むが、再び音楽の世界になんらかの形で関わって行こうと決意し、2007年より音楽イベントのオーガナイズを始める。